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2012年1月8日

アンコウのオスは大変です。

青森県内のアンコウ(キアンコウ)の水揚げは国内トップクラスです。(平成22年:764トン、4.1億円)アンコウは大きいもので20kgにもなりますが、大概大きい個体はメスです。オスはあまり大きくなりません。

写真をご覧のようにアンコウは非常に口が大きく、鋭い歯を持っています。歯は口の内側に向いており、一度捕らえたら獲物を逃がしません。

アンコウは何でも食べるのですが、稀にカモメや小さいアンコウ(♂?)が胃袋に入っていることもあります。きっとオスのアンコウは、交尾をしようと近づいていったのか、通りすがりのところをがぶりといかれたのかのどちらかだったのでしょう。自然界は厳しいものです。

アンコウは海底でじっとしている魚というイメージがありますが、最近の研究によって、意外にも移動することが分かってきています。マグロのように移動する泳法ではありませんが、日周鉛直行動のような感じで、夜中に海面近く上昇し、明るくなる頃に海底へ移動するような記録が残っています。ただし、この行動も個体によって異なり、まったく動かない期間もあります。まだまだ謎に包まれた魚であることは確かです。

 

 

最近では青森県でもアンコウは高級食材として認知されていますが、2、30年前では、アンコウは外道の外道とされ、㌔単価は数十円という時代もありました。年配の漁師曰く、アンコウの肝を、斜路(船を陸上に上げるための斜めになっている路面)に塗り、グリス代わりとして使用していた時代もあったそうです。今から想像すると非常に贅沢な使い方ですね。

アンコウは年が明けると価格が安くなります。まだまだ寒いこの時期にあんこう鍋をするのもいいのでは。

最後にあん肝アイス、勇気のあるかたはぜひどうぞ。

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